妊娠中期中絶流産 当日
2018/01/28

こんにちは
破水から40時間くらい
赤ちゃん19週
中期中絶を香港で行いました。海外の事例などがあまりなく日本では考えられないような方法でしたので誰かの役に立てばと思い書いていきます。
気分が悪くなってしまうかもしれないので無理しないでください。
Contents
薬を飲む
赤ちゃんを眠らせる薬と説明がありましたがcytotecという(ミソプロストール(Misoprostol))薬を朝8時に口の中に入れ溶かしこれから3時間ずつこれを服用していくことになります。
三人で食べる最後のごはん
朝8時から中絶が始まるのでムッシュは7時に病院に来て、私が妊娠中にいつも食べていた納豆を持ってきてくれました。きっと私たちの赤ちゃんが食べたかったものだからお別れを言う前に食べされてあげたかったんだ。
二人で朝、会った瞬間涙がこみあげてきて泣いたんだ。だから悲しいときに食べるチョコレートを半分づつして食べた。赤ちゃんに私たちの思いが届きますように。
中の病室は男性が面会時間しか入れないので私が外に行き10時くらいまで一緒にいた。その途中の9時におなかが少し痛くなってきて初めて出血した。
2回目の薬
病室に戻り横になると11時にまた次の薬が来た。吐き気がする。なんか生理痛とおなじような、便秘と下痢になった時のようなおなかの痛みと腰の痛みが増してくる。
12時になりムッシュが入ってくる。私は朝食後は絶食と言われていたので何も食べなかったらナースが食べてよいと言う。ほんとかわかんらないのでムッシュが何とかドクターを探し出し、聞いてみると熱もないので食べてよいとのこと。早速昨日友人が買ってきてくれたおにぎりを食べる。
そして悲しいときに食べるチョコレートを半分づつして食べる。
おなかがどんどん痛くなってきたので痛み止めのパナドールを2錠もらう。
1時になったのでムッシュがお部屋から追い出され、また一人の日々。一人と言っても大部屋。今日も当日入院の患者さんが結構来ていて7人部屋は満室。私は入り口のドアに一番近い場所。
大部屋での出産
表題の通り分娩室に行くことなくお部屋のベットで産むんです!冗談かと思ったら横のベットの人がもうこの1週間で2人この部屋で生んでるよとの事。
昨日この横のベットの人と話していたら彼女も私と同じ日に3人目の赤ちゃんをあきらめなければいけなくなったようです。彼女は10週なのでオペ室での対応のようです。
毎日目まぐるしく行われる手術、何人もの女性が赤ちゃんをあきらめなくてはいけなくなっている状況。この病棟は何らかの問題が起きた女性専門の病棟なんです。
横の女の人は声をあげて泣いていました。横の病室の人も狂ったように泣き叫んでいます。大部屋なので仕切りもカーテンしかありません。みんなのつらさを痛感します。
3回目のお薬
14時になり3回目のお薬を飲むといきなりひどい下痢に。下痢でおなかが痛かったのかなと思うほど。
病院なのに便器に便座がついていないという衛生上最悪なトイレでトイレットペーパーをひいて薄い便器のところに座ります。便器に落ちそうです。
何回かトイレに行きやっと下痢がおさまります。
でもおなかの痛みは全然治まりません。ドクターが来ておなかを触ると
「まだおへそくらいのところにいるからまだまだですね。」と言う。
「こんなに痛いのにまだなんですか?痛み止めをください。」
「わかりました」30分経っても痛み止めが来ません。もうおなかが痛すぎて通りかかるナースにも言うのですが誰も持ってきてくれません。おなかが収縮する痛み。あかちゃんがだいぶ下に下がってきておなかのかたちが変形しました。
あまりにも痛いのでナースコール。すると
「12時20分にパナドールを飲んでいるから処方できません」との事。
「ものすごく痛いのでお願いします」
「では注射を打ちましょう。でも打ったらめまいがするのでトイレには行かないでください」これが15時ちょうど。
もうおなかが痛くて動けないので二つ返事で注射が来るのも待ち、やっと腰に打ってもらいました。
最初のころの痛みに戻ったくらいでやっぱり痛い。まさに陣痛。波がある痛さ。また大をしたいような気分になります。
ドロッとした血がどんどん出てきます。まだズボンもパンツも履いた状態だったので慌ててナースコールをし
「血がどぼどぼ出てきているんですがどうしたらよいですか?」
と聞くと見せてくださいというのでズボンを脱いで見せると
「ナプキンだけ替えば大丈夫と言うのでナプキンを替えたんだけどやっぱりたくさん出血し血だらけに。ベットの下に吸収パットを敷いてもらいました。パンツをはいてそしてカーテンがまた開けられます。
閉めたままにしておいてほしい・・・・・・。布団をかぶって隠すしか方法がありません。
ものすごく痛い
3時からの時間のたつことの遅いこと。半ば失神していたのではと思います。汗びっしょりで暑くてでも冷や汗のような感じ。痛みが長くなってきます。ナースコールをして痛み止めを増やして下さいといったがさっき打った注射が強い物だからもうこれ以上打てないとの事。
ムッシュに痛いたびにメールしていたのですがその頻度が何分置きとかほんとに短い。でも自分的には長いんだけど時間を見るとほんとに全然時間が進まない。
これ効いてるの?????
昨日ドクターはもう心が十分傷ついているだろうから体は傷つかないように麻酔を使うから安心してくださいって言ってたけど痛いじゃないですか!!!!!!
ただボーっとしているだけで痛みはすごく感じます。
本当に痛い。赤ちゃんがだんだん下に下がってきました。膣が開くような感覚が何回かし再びナースコール
16時45分 ナースが来てカーテンを閉めます。
ついに分娩
苦しんでいる姿はカーテンが開いているのでみんなに丸見え。布団に入って苦しんではいますがみんな何が起こっているかわかるのも当たり前ですね。
16時45分
ナースが来てカーテンを閉めお風呂の桶を少し楕円形にしたようなプラスティックのものを私のお尻の下に敷きベットを椅子のように背もたれをたてていきます。このプラスティックの桶がお尻の形に全然あわないのでとっても痛い。さらに座っている状態なので全体の重さがこのプラスチックにかかりさらに痛いんです。和式トイレに座っている状況。
「あとどのくらいですか?」
「4時間くらい」
「4時間!!!!!お尻が痛くてそんなにこの桶の上で座っていることはできません!!!!!!!」
「じゃ桶の位置を少し変えてみるわね」
「。。。。。。」
しょうがないのでこの桶の上に座り赤ちゃんが落ちてくるのを待ちます。
ナースは
「赤ちゃんが出てきたらナースコールして」
と言って出ていきました。今回ばかりはカーテンは閉まったまま。よかったあ。前の人は閉めてなかったそうです。
ついに出てきました
次の痛みがまた来て(気持ち的には20分後くらいだったがムッシュに入れたメールでこんなに早く出てきたのかと実感。)いきなり子宮口が開くような感覚がして小さな声で
「アッ」と痛い声を少し出すとともにニョロニョロニョロっとたくさんの物体が出てきました。最初の子宮口が開くときだけ少し痛かったけどおなかの痛みが痛すぎて出てくるのはスムーズでした。
なんと桶を設置してから3分後。
何が4時間だよ!と思う反面、頸管が短いからほんとに早く出てきたんだなと実感。先生にも頸管が短いからすぐ出てくるでしょうと言われていたけど本当にすぐ出てきました。
ナースコールをしナースを呼ぶとナースが入ってきて
「出てきた」と言うので、「はい出てきました。」と言う、するとプラセンタがまだ出てきてないから注射を打ちますのであと1時間くらいこのままでいてください。との事。
このプラステチックの上にあと1時間・・・・・。痛いよ。
「赤ちゃんは取り上げてくれないんですか?」と聞くと
「プラセンタが出てきたら一緒にもっていって検査するのでその後で用意してお見せします」との事。なんだか桶の中にいる赤ちゃんがかわいそう。
ナースがいなくなってから桶の中を見ると思った以上に大きい我が子がいるではありませんか。
爪もあるし目も耳もある。すごくかわいい。人間の顔をしています。うわ___感激。すると赤ちゃんが動きました。
あんなに薬を飲んでいたのに動いたんです。
これはムッシュにも見せてあげたいと思い慌ててナースコールをし特別時間外にカーテンの中に入ってきてもらいました。
ムッシュも恐れることなく血まみれの我が子を見て
「SO CUTE]と言ってお礼の言葉をたくさん言っていました。
生まれてきてくれてありがとう。私たちの愛の絆を深めてくれてありがとう。自分たちの生活が赤ちゃんのおかげでかけがえのないものになったこと。私たちにも赤ちゃんを授かることができると教えてくれたこと。ほんとにほんとにありがとう。って 私も体を触ってありがとうって言いました。
そしたら大きく動いたんです。そしてお空に帰っていきました。
触ったときまだ温かかった。
プラセンタ(胎盤)がなかなか出てこなくてナースも心配していたが一時間後にやっと赤ちゃんを産むときと同じような感覚でたくさん出てきました。 その後、膣をチェックして異常なしと言うことで、明日、家に帰れることに。
前に進む
あと1か月おなかにいてくれたら助かったかもしれないのに。そんなことを考えてしまいます。でも考えても起きてしまったことなので前に進みたいと思う。
神様は赤ちゃんの授からなかった私たちにやっとチャンスをくれたのにやっぱり駄目だったんだ。だったら最初から赤ちゃん授からなかったほうがよっぽどよかった。そう思うと思ったけど。この5か月があまりに幸せでこの5か月一緒にいれたことがとっても嬉しかった。なので生まれてはこれなかった命だけどとっても嬉しい。
赤ちゃんをおなかに授かれて本当に良かった。そう思います。
赤ちゃんが外に出て動いていた時も自分の選択は早かったかそう思うと思ったけど肺が全部つぶされることなく出てこれたからこの世も少し感じてもらえたし私たちの愛情も十分伝えることできた。
だから私たちの愛の気持ちを言ったとき大きく動いてくれたんだよね。本当に伝えられてよかった。
私たちのところに来てくれて本当にありがとう。
最後に我が子がおなかにいるときの写真